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【夏祭り】中津市ってどうよ?No24【真っ最中】
[142]名無しでよか?:04/08/01 11:02:20 ID:n8Sq9ASY
>>80 イニシエーション=通過儀礼は、 未開の社会に於いて、ある個人が成長し、ある段階から新しい段階に移行する為の儀式です。その儀式には奇妙な物、残酷な物も数多く報告され、世界の民俗、民族、宗教、神話、近年では文化人類学、心理学、社会学者等に研究されてるようです。残酷な儀式の例では、割礼や生贄など。 ルーマニアの宗教学者エリアーデによりますと、通過儀礼とは、一個の儀礼と口頭教育群を表し、その人間の社会的、宗教的地位を変えてしまう事です。つまり、ある儀式によって全くの別人になる儀式が通過儀礼です。 これはその社会の宗教的世界観により支えられます。あらゆる通過儀礼の根本には原古の概念があり、原古の神話を実在した物と捉え、儀式によりその神話を繰り返すことらしいです。 祭礼にしろ、婚礼にしろ、葬礼にしろ儀礼の間、対象者は原古の神と同化し、原古の神の体験を繰り返し体験する聖なる存在となります。現代の普通の人には、ここ迄の宗教的感覚を持ち通過儀礼に参加する方は恐らく稀有です。 制度としての通過儀礼。近代人は、このような深い意味を持った通過儀礼を消失しています。その理由は、我々は伝承社会に生きてないからです。エリアーデによると進歩を目指す現代社会では、神話の時代、原古の時間への回帰が通過儀礼の眼目であるからと言いますが、私にはあまりよく理解できません。私としては過去への憧憬がイニシエーションの本質で、進歩と変革、未来志向の近代社会にはそぐわないからじゃないかと思いましたが。 心理学者からのアプローチ。死の結婚と永遠の少年って面白い言葉がありますが婚礼についてだけ。 婚礼は乙女が妻にイニシエートする儀式ですが、婚礼の本質は乙女が死に、妻として再生する儀式で、男性による、女性の強奪です。古えでは共同体全体が婚礼を承認し、夫婦を監視する機能を果たしてました。現在でも四国や東北の一部に嫁をいきなり強奪する儀式や、初夜を親族や友人が隣室で見届ける風習があるそうで。非合理的な風習ですが、このような伝統的通過儀礼と呼べる婚礼を行った場合離婚率が低いと言います。 現在の日本で、大人や、妻や夫になりきれない人が増えてるのは、イニシエーション体験ができてないからではないかとの話です。現在の結婚式が現代人にとって真の意味の通過儀礼となってない証左でないかと思われます。 制度は別として、それでも通過儀礼は個々の内面に息づいてるらしいですが・・・
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